試験の概要
【データセンター識別番号】
HE0204
【プロトコール名】
骨髄非破壊的前処置療法を用いた同種造血幹細胞移植に関する研究
〜非ホジキンリンパ腫を対象としたリン酸フルダラビンとブスルファンによる前処置の安全性・有効性の検討〜
【研究組織】
平成14年度厚生科学研究費補助金(ヒトゲノム・再生医療等研究事業)
「骨髄非破壊的前処置療法を用いた同種造血幹細胞移植の開発」(高上洋一班長)
【プロトコール状況】
- 登録開始日
- 2002年11月
- 登録中
- 2004年3月
- 登録症例数 (2004年3月現在)
- 登録:8例
【研究タイプ】
多施設共同一般臨床試験(第T/U相)
【目的】
リン酸フルダラビンとブスルファンを併用した骨髄非破壊的な前処置療法を用いて50歳以上70歳未満の非ホジキンリンパ腫患者を対象としたミニ移植術を行い、高齢者における本治療法の有用性(安全性・有効性)を検討する。
【主要評価項目】
移植後100日時点での生存、及びドナー型完全キメラの達成 (移植後day 90±5の時点でdonor由来細胞が90%以上)
【副次評価項目】
- 移植後1年の生存率および無増悪生存率
- 前処置の毒性(移植後20日以内)
- GVHDの頻度・重症度の検討
- GVHDの発症時期、キメラとの関係
- 造血回復までの期間、完全キメラ達成までの期間
- DLIによる移植片拒絶の防止、抗腫瘍効果
- 組織型ごとの生存率、無増悪生存率
- 腫瘍縮小効果の検討
【適格・除外条件】
本研究の対象は、他の治療では治癒や長期生存の確率が低く、同種造血幹細胞移植が有望であると考えられるにも関わらず、通常の同種造血幹細胞移植が適応にならない患者とする。若年者の場合、ミニ移植が通常の移植法よりも優れている、あるいは同等であるかは不明である。このため、まず、ミニ移植以外の選択肢が存在しない高齢者を対象として試験を計画した。
患者の適格条件(仮登録時)
[病理診断]
初発時、あるいは再発時の病変部位の生検にて、組織学的に以下の何れかの診断が確定している症例。
- Mature B-cell neoplasms
- Indolent lymphoma group
- Chronic lymphocytic leukemia (B-CLL) (9823/3)
- Small lymphocytic leukemia (SLL) (9670/3)
- Lymphoplasmacytic lymphoma (LPL) / Waldenstrom macroglobulinemia (WM) (9671/3)
- Splenic marginal zone lymphoma (SMZL) (9689/3)
- Extranodal marginal zone B-cell lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue (MALT) (9699/3)
- Nodal marginal zone B-cell lymphoma (NMZBL) (9699/3)
- Follicular lymphoma
- grade 1 (FL grade1) (9691/3),
- grade 2 (FL grade2) (9695/3)
- Small (low-grade) B-cell lymphoma, not otherwise specified (SBL) (No code)
- Aggressive lymphoma group
- Mantle cell lymphoma (MCL) (9673/3)
- Follicular lymphoma grade 3 (FL grade3) (9698/3)
- Diffuse large B-cell lymphoma (DLBL) (9680/3)
- Mediastinal (thymic) large B-cell lymphoma (MLBL) (9679/3)
- Intravascular large B-cell lymphoma (IVL) (9680/3),
- Primary effusion lymphoma (PEL) (9678/3)
- Burkitt lymphoma/leukemia (BL) (9687/3, 9826/3)
- Mature T-cell and NK-cell neoplasms
- T-cell prolymphocytic leukemia (T-PLL) (9834/3)
- Peripheral T-cell lymphoma, unspecified (PTCL unspecified) (9702/3)
- Angioimmunoblastic T-cell lymphoma (AILD) (9705/3)
- Anaplastic large cell lymphoma (ALCL) (9714/3)
※病理分類はWHO分類(87)に従う。
※充分な組織診断が行えた場合は、針生検のみでも適格とする。
※病理診断は最終的に病理中央診断パネリストによる中央判定を実施するので、登録根拠となる病理診断が下された代表的な組織標本を症例登録後速やかに運営事務局 上 昌広まで送付する。送付する標本は未染プレパラート12枚とし、標本の搬送は大塚アッセイに依頼する(連絡先、連絡方法は17-15参照)。なお、運営事務局への送付費用は本研究費より支払われる。また、送付方法、病理中央診断方法の詳細については、別途定めた手順に従うこととする。
[病期]
仮登録前4週間以内に実施した検査にて、以下の何れかの病期を満たす症例。
なお、仮登録時の検査から本登録まで4週間を超える場合は再度検査を実施し、以下の病期であることを確認する。
- Mature B-cell neoplasms
- Indolent lymphoma group
- 初回治療でstable disease(SD)の症例
- salvage 治療に対する反応性がPR、SDの症例
- Aggressive lymphoma group
Diffuse large B-cell lymphoma, Mantle cell lymphoma以外の場合
- 初回治療でPRの症例
- salvage 治療に対する反応性がCR, PRの症例
Diffuse large B-cell lymphomaの場合
- 初回治療でPRの症例
- salvage 治療にてPRの症例
- salvage療法でCRとなったが、主治医が自家造血幹細胞移植の適応外と判断した症例
Mantle cell lymphomaの場合
- 初回治療でCR、あるいはPRの症例
- salvage 治療に対する反応性がCR, PRの症例
- Mature T-cell and NK-cell neoplasms
- 初回治療でPRの症例
- salvage 治療に対する反応性がCR, PRの症例
※ Salvage 療法
以下の二つの場合を示す。
- 初回治療でCR、あるいはPRに到達しない場合に、CR、PRを目指して行う初回治療とは異なるレジュメン。
- 初回治療でCR、あるいはPRに到達した後に再発、再燃した場合に、CR、PRを目指して行うレジュメン。必ずしも初回治療と異なる必要はない。
[患者選択基準]
仮登録時に患者が下記の選択基準を満たすことを確認する。
- 年齢が50歳以上かつ70歳未満
- ECOGのperformance statusが0,1
- 初回同種造血幹細胞移植であること。自家造血幹細胞移植を含め、これ以外の前治療歴は問わない。
- 健康状態が良好であるHLA一致同胞ドナーを有する者。
- 試験参加について患者本人から文書での同意が得られている
[患者の除外基準]
下記の除外基準のいずれかに該当する患者は、不適格と判断する。
- 酸素非投与での動脈血液中酸素飽和度が93%未満
- 血清クレアチニン値が2.0 mg/dL以上
- 血清総ビリルビン値が2.0 mg/dL以上、あるいはGOT値が施設基準値上限の4倍以上
- インスリンの継続使用によってもコントロール不良の糖尿病を有する症例
- コントロール不良の高血圧症を合併する症例
- 心筋梗塞、うっ血性心不全の既往、または、不安定狭心症を合併する症例
- 心エコーにて、安静時の心駆出率が50%未満
- HIV抗体陽性の症例
- HBs抗原陽性(HCV感染は移植後肝障害に与える影響は明らかでない(88)ため、除外しない。)
- 活動性の重複がんを有する症例
- 精神病、または精神症状を有しており、試験への参加が困難とされる症例
- 活動性の感染症を有する症例
- 前処置療法に用いる薬剤、または急性GVHD予防に用いる薬剤に対し過敏症の既往のある症例
- 妊娠の可能性のある症例、及び授乳中の症例
- その他、研究担当医師が不適当と判断した症例
ドナーの適格条件
[ドナー選択基準]
仮登録時にドナーが下記の選択基準を満たすことを確認する。
なお、ドナーの年齢上限については、各施設の倫理委員会もしくはそれに準ずる機関の定めた制限に従う。また、ドナーよりの採取は、日本造血幹細胞学会の発表している「同種末梢血幹細胞採取のための健常人からの末梢血幹細胞動員・採取に関するガイドライン」を尊重して行う。
- Performance statusが0 ,1(資料1 ECOGの基準参照)
- ドナーとしての充分な心・肺・腎・肝機能を有する
- 心電図上虚血性変化や治療を要する不整脈を認めない
- 血清クレアチニン値が1.5 mg/dL未満
- 胸部X線写真で異常がなく、酸素非投与時の酸素飽和度が93%以上
- 血清総ビリルビン値及び血清GOTが施設基準値上限の2倍未満
- ドナーとして充分な造血能を有する
- 白血球数が正常値
- 血小板数が正常値
- ヘモグロビン濃度が正常値
- この試験に参加することに関して、ドナー本人の自発的意思が確認され、文書による同意が得られている
[ドナーの除外基準]
仮登録時に、下記の除外基準のいずれかに該当するドナーは、不適格と判断する。
- 自己免疫疾患(膠原病を含む)の現有及び既往
- 静脈血栓症、動脈硬化性疾患の現有及び既往
- うっ血性心不全、虚血性心疾患、脳血管病変の現有及び既往
- 間質性肺炎の現有及び既往
- 悪性腫瘍の現有及び既往
- 薬物治療を必要とする高血圧、糖尿病の現有
- 研究参加に対する同意に影響を及ぼす精神的疾患、薬物依存症の存在
- 重篤な薬剤アレルギーの既往
- HBs抗原陽性
- HIV抗体陽性
- 妊娠あるいは妊娠の可能性、授乳中
- その他研究担当医師が末梢血幹細胞採取に不適当と考える健康状態
本登録時の患者適格条件
[本登録患者選択基準]
本登録時に患者が下記の選択基準を満たすことを確認する。
- 本試験の同意の撤回がない。
- ドナーより採取したCD34陽性細胞数が2.0 x 106個/kg・患者体重以上得られた。なお、細胞数の判定は、大塚アッセイの測定結果を用いる。
[本登録患者除外基準]
以下の除外条件に一つでも該当する場合は仮登録後の不適格症例と判断する。
- 原疾患の増悪(本登録時に、悪性リンパ腫の病期が適格条件を満たさなくなった場合)
- ECOGのperformance statusが2以上
- 酸素非投与での動脈血液中酸素飽和度が93%未満
- 血清クレアチニン値が2.0 mg/dL以上あるいは体表面積当りのクレアチニン・クリアランスが20 mL/分/m2未満[標準体表面積 1.48 m2で算出した場合のクレアチニン・クリアランスが30 mL/分未満]、ただし体表面積及びクレアチニン・クリアランスの計算は8-1、8-2-2に従う。
- 総ビリルビン値が2.0 mg/dL以上あるいはGOT値が施設基準値上限の4倍以上
- 活動性の感染症を有する場合
【試験薬剤】
リン酸フルダラビン、ブスルファン、シクロスポリン、メソトレキサート
【症例数と症例集積期間・進捗状況】
- 予定症例数
- 30症例(評価可能例として23症例)
- 症例集積期間
- 1年
- 追跡期間
- 1年
【試験参加施設一覧】
| NO. |
施設名 |
科名 |
試験責任医師 |
| 1 |
北海道大学大学院医学研究科 |
癌制御医学 |
今村 雅寛 |
| 2 |
札幌北楡病院 |
内科 |
笠井 正晴 |
| 3 |
市立函館病院 |
内科 |
政氏 伸夫 |
| 4 |
東京大学医学部附属病院 |
無菌治療部 |
神田 善伸 |
| 5 |
国立がんセンター中央病院 |
幹細胞移植科 |
高上 洋一 |
| 6 |
埼玉県立がんセンター |
血液科 |
久保田 靖子 |
| 7 |
静岡がんセンター |
血液・幹細胞移植科 |
川上 公宏 |
| 8 |
金沢大学医学部附属病院 |
血液内科 |
高見 昭良 |
| 9 |
石川県立中央病院 |
血液免疫内科 |
山口 正木 |
| 10 |
三重大学医学部附属病院 |
第二内科 |
中瀬 一則 |
| 11 |
京都大学医学部附属病院 |
第一内科 |
内山 卓 |
| 12 |
京都府立医科大学附属病院 |
第三内科 |
谷脇 雅史 |
| 13 |
京都府立医科大学附属病院 |
第二内科 |
島崎 千尋 |
| 14 |
大阪市立大学医学部附属病院 |
血液内科 |
日野 雅之 |
| 15 |
大阪府立成人病センター |
第五内科 |
三井 秀紀 |
| 16 |
医療法人みどり会中村病院 |
|
林 邦雄 |
| 17 |
星が丘厚生年金病院 |
内科・輸血部 |
北山 等 |
| 18 |
神戸大学医学部附属病院 |
血液内科 |
松井 利充 |
| 19 |
岡山大学医学部附属病院 |
第二内科 |
品川 克至 |
| 20 |
国立病院岡山医療センター |
内科(血液内科) |
角南 一貴 |
| 21 |
愛媛県立中央病院 |
内科 |
原 雅道 |
| 22 |
九州大学医学部附属病院 |
第一内科 |
原田 実根 |
| 23 |
国立病院九州がんセンター |
造血器科 |
鵜池 直邦 |
| 24 |
産業医科大学 |
第一内科 |
東 丈裕 |
| 25 |
慈愛会・今村病院分院 |
内科 |
武元 良整 |
IRB通過承認通知の到着をもって試験参加施設としております。上記以外の施設でIRB通過承認通知を得ている施設がございましたら、日本臨床研究支援ユニットまでご連絡下さい。試験参加施設外であるが、症例登録にご協力頂ける施設の先生方におかれましては、上記施設の試験責任医師にご連絡いただくか、上
昌広までご連絡頂けますようお願い申し上げます。
【有害事象ハンドリング】
- 有害事象緊急報告書(重篤有害事象、未知中等度以上の有害な副作用)
発生より72時間以内にFAXにて連絡。記入フォームを以下よりダウンロードしてください。
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有害事象緊急報告書(PDFファイル)
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- 有害事象詳細報告書(重篤有害事象、未知中等度以上の有害な副作用)
発生より7日以内にFAXにて連絡。記入フォームをこちらからダウンロードしてください。
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有害事象詳細報告書(PDFファイル) |
- 重篤な有害事象
- 死亡にいたるもの(ただし、移植後100日以降で、本治療法との因果関係が明確に否定できる腫瘍の進展による死亡の場合は、緊急報告のみとする)
- 生命を脅かすもの
- 治療のため入院または入院加療期間の延長が必要なもの
- 永続的または重大な障害/機能不全に陥るもの
- 先天異常を来すもの
- その他の重大な医学的事象(永続的な障害、機能不全に至らないような処置が必要な場合)
なお、原疾患と治療内容を考慮し、造血幹細胞移植に伴う血液毒性については、重篤の対象としない。
- 重要な副作用
未知・中等度(軽微でなく重篤でもないもの)かつ本試験の前処置療法に用いる薬剤(本計画書3-1)との因果関係が否定できない有害事象。
未知とは当該有害事象が本試験の前処置療法に用いる薬剤の添付文書に記載されていないことを示す。また、中等度とはNCI CTC version2.0 ( JCOG 日本語版、但しクレアチニン値は原著の基準に従う) のGrade2以上を目安として、軽微・中等度・重篤の3段階評価で中等度と判断されたものと定義する。
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