EBM(Evidence Based Medicine:根拠に基づく医療)という言葉が喧伝され,わが国には治療・予防法の根拠となるデータが殆ど存在しないことが明らかになってまいりました。エビデンスを生み出すのは臨床試験に代表される臨床研究と疫学研究,そしてそれらを統計的に統合するメタアナリシスですが,研究者のアイデアを実施に移すために必要な資金の投入不足,そして研究を支援する人材・システムといった基盤整備がなされなかったことがエビデンス不足の根幹にあります。
臨床・疫学研究は,計画・プロトコル作り・データ管理とコーディネーション・統計解析・報告書作成という専門知識と経験を要する多くのプロセスからなりますが,本NPOは,東京大学大学院医学系研究科 疫学・生物統計学教室,財団法人パブリックヘルスリサーチセンター等の組織と連携し,これらの点で研究者の支援を行うこと,そして研究者と支援スタッフの教育を行うことをミッションとしております。
欧米と三極をなす医学基礎研究と異なり,臨床・疫学研究の基盤整備に関し,わが国は欧米から20年以上遅れをとってしまいました。国民の理解と共感を得つつキャッチアップし,その健康福祉に貢献するためには,点から線,線から面(本NPOのロゴはこれを象徴しております)という研究者と支援スタッフのネットワーク作りが必要です。多少の錯誤は恐れず,草の根で試行を続けていきたいと思います。
理事長 大橋 靖雄
(東京大学大学院医学系研究科 教授) |
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